熱で3日間寝込んで気づいたこと。体調が悪いとき、口の中で起きていること

オーラルケア

発熱時の口腔ケア|歯磨きがつらいときの対処法

熱が出て寝込んだとき、歯磨きや口のケアはどうすればよいのでしょうか。歯科医師の視点から、発熱時の口の乾燥、水分補給、無理のない口腔ケアの方法を解説します。

熱が出て3日間、寝込んでいました。

普段は当たり前にできている歯磨きや食事も、体調が悪くなると負担に感じることがあります。そんなとき、口の中の健康をどう守ればよいのでしょうか。

歯科医師として40年、歯と口の健康に向き合ってきました。今回は自分自身の体験をきっかけに、発熱時に気をつけたい口腔ケアについてお伝えします。

発熱すると、口の中も乾きやすくなる

熱が出ると、汗をかいたり、水分を取る量が減ったりして、脱水状態になりやすくなります。また、体調不良や服用する薬の影響で、口の渇きを感じることもあります。

ここで大切なのが、唾液の働きです。

唾液には、食べかすを洗い流す自浄作用や、口の中の酸を中和する働きがあります。唾液が少なくなると、口の中の汚れが残りやすくなり、むし歯や口臭などの問題につながることがあります。

もちろん、発熱しただけですぐに歯が悪くなるわけではありません。しかし、体調不良が続くときは、普段以上に水分補給と口のケアを意識したいところです。

歯磨きができないほどつらいときは?

熱が高いときや体がだるいときは、いつものように歯磨きをすることさえ大変です。

そんなときは、次の3点を意識してみてください。

1.水分を少しずつ補給する

飲める状態であれば、水やお茶などを少しずつ取りましょう。発汗や嘔吐、下痢などがある場合は、状況に応じて経口補水液が適することもあります。

飲み込みにくい場合や、医師から水分制限を指示されている場合は、無理に飲まず医療機関に相談してください。

2.できる範囲で口の中を清潔にする

歯磨きができそうなら、力を入れずにやさしく磨きます。難しい場合は、体調が落ち着いてから再開してもかまいません。

うがいが安全にできる状態なら、水ですすぐことも一つの方法です。ただし、意識がはっきりしないときや飲み込みに問題があるときは、無理に行わないでください。

3.回復したら、いつもの習慣に戻す

体調が戻ってきたら、朝晩の歯磨きや歯間清掃など、普段の口腔ケアを再開しましょう。

体調が悪い間に十分なケアができなかったからといって、必要以上に心配することはありません。回復に合わせて、できることから戻していくことが大切です。

口の健康は、体全体の健康とつながっている

口は食事を取り、会話をし、毎日を過ごすために欠かせない場所です。

だからこそ、元気なときだけでなく、体調を崩したときにも口の健康を意識することには意味があります。

今回、3日間寝込んだことで、普段は何気なく行っている生活習慣について、改めて考える機会になりました。

歯科医師としてお伝えしたいのは、毎日完璧にケアすることだけが大切なのではない、ということです。体調が悪いときは休むことを優先し、できる範囲で口を清潔に保つ。そして元気になったら、いつもの習慣を取り戻す。

その積み重ねが、長い目で見た口の健康につながります。

なお、発熱が続く、水分が取れない、尿が極端に少ない、呼吸が苦しいといった症状がある場合は、歯のケアよりも体の状態を優先し、速やかに医療機関に相談してください。

歯華家365|365日の予防医療。歯科医師の視点から、口から始まる健康習慣をお届けします。

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